IKCOC三日目感想

さて本日もがてら3日目に興味深かった講演、発表をば。

Martin D. Burke先生

Burke先生というと有名なのが、MIDAボロン酸エステルです。
MIDA

この構造をお示しすれば誰もがわかるのではないでしょうか。
しかし、このMIDAボロン酸エステルを用いたカップリング手法、実は2000年代に初めて報告されているんです。
元論文はこちらです。

Burke先生は2007年にこちらを報告して以降立て続けにMIDAボロン酸エステルを用いたカップリング反応による様々な分子の合成を報告しています。
今回の講演もその紹介をして頂けました。

安田修祥(やすだのぶよし)さん

安田さんと言えば、アートオブプロセスケミストリーの著・和訳者として有名ですね。
各所でご講演を聴かれたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
まなぶは初めてだったので、非常に感銘を受けました。
以下に学んだことをまとめてその詳細を記します。

  1. Me2SiCl2が2つのアミン部(アミドNHを含む)を架橋する保護基として有用であること
  2. DABCOを添加するとBn基の水素化分解反応を促進すること(NBnには使えない)

1.について
特に、ホスゲンを用いたβラクタム化において、その副生物を細かに追跡し、構造決定をしたのち、適切な反応設計をすべく、Me2SiCl2を選択し、ケイ素で2つのアミノ基を架橋した中間体を合成すると言う発想にはこれだから有機合成は面白い!と言わざるを得ませんでした。
2.について
NEt3が触媒毒となって目的とする反応が進行しないことを、佐治木先生の研究から見つけ出しその後の調査によりDABCOの添加が良いことを発見しました。
また、その一般性については自らご検討され比較的一般性が高かったのも今後に使えそうだという感想でした。
NBnに使えないというのも欠点とも取れますが、逆に言えばDABCOを添加すればNBnを残した状態でアルコールのOBn部のみを脱保護できるとも言えます。

伊藤肇先生

ポスター発表ということにまず驚きを隠せませんでしたが、まなぶの同期の岩本君の研究を伊藤先生自ら発表されるということでこれは聞き逃せない!という思いの元向かいました。
元々、その研究は論文やプレスリリース、ケムステなどでよく知っていたのですが、その裏話?計算四方山話?これからの有機合成反応開発への計算の用い方のお考えなどを直接聞くことができ、大変貴重な機会でしたので、こちらにも書かせて頂きました。

いや、研究内容も紹介しろよ!

と言われてしまいますので、しっかりと同期の研究の宣伝もしておきます(僕がするまでもないくらいに素晴らしいですが)。
これまで難しいと言われていた末端アルケンのマルコフニコフ型ヒドロホウ素体を高エナンチオ選択的合成法を開発されました。
しかも、配位子のチューニングは計算化学を元に設計→配位子を合成(今本先生が合成)→実験→さらなる計算による配位子設計→
を繰り返しての結果です。
詳しくはケムステにご紹介されてますのでそちらのページをご覧になって頂くのがよいかと思います。
こちらからどうぞ

終わりに

実はフォロワーさんから頂いた本の著者であられる、安達先生のご講演もあったり他にもポスターセッションにこの方自ら・・・!!??って方も多くいらっしゃったりでご紹介しきれない1日だったのが実際です。
大変刺激を頂きました。
また、午後はフリーな時間が長く取れたので、その間に嵐山に行ってきました。
大体の目的はリフレッシュですが、研究の由来に少し関わってもいましたので。
その後のフォロワーさんとのお食事会も含め、なんとも素晴らしい1日でした。
では最後はぼくの撮影した嵐山で締めくくりたいと思います。

arashiyama1
arashiyama2

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