まなぶの論文の読み方

質問箱に文献の読み方について次のような質問が来ていました。

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まなぶなんてただの博士課程の学生ですので、現時点におけるまなぶなりの読み方というのを一例として書かせて頂けたらと思います。
(成長して読み方が変わったらまたご紹介しますね)

論文を読む目的は?

まず根本的なことを問いかけます。

その論文、文献紹介ばりに読む必要ありますか?

自分に与えることができる論文を読む時間はどれほどでしょうか?

もしも自分の研究を進めるために必要な反応を行うときに調べるという程度であれば、基礎的な反応機構と反応条件、その意味さえ掴めれば全てを精読していく必要性は自分の最大目的に対してはないかもしれません。

自分がこの研究を隅々まで理解した方が良いのか、考察することで自分の能力向上をはかるのも目的であるなど精読することを前提に以下に進みます。

読むときに何に気をつければいいかを後輩と話していたときのこと

文献紹介準備をしている後輩と話していたときです。

論文をもっと読み慣れた方が文献紹介だけじゃなくて論文の主張の数に触れられて、過信せずにすむのではないか、という考えを持っていたまなぶです。
(先日も論文毎に主張が異なり論争があった問題についてご紹介しました。こちら

そんなとき、まなぶは後輩に伝えました。
「論文の言っていることでわからない、理解できないことがあれば、そこに疑問を持って調べる。これをやればいいだけだよ。」

そのとき後輩は言ったのです。

「論文読んでてもへぇ~って思っちゃうんですよね。わからなすぎて。」

まなぶははっとしました。

まなぶが論文をたくさん読むようになるまではまなぶも同じだったのです。論文を読む数が足りていないと論文の主張が間違っていたり、確定的でないことを確定的に言っていることに気がつけなかったりしていました。

じゃあ読むときどんなことに気をつければいいの?

ここからは現在のまなぶの完全な持論です。

  1. 「へぇ~」の禁止
  2. 「自分が読みながら5W1Hを自分に問いかける」
  3. その論文までの歴史・経緯・例を調べる

「へぇ~」の禁止

1に関してはまず、納得していないのにただただ受け入れることをやめることです。
自分が読んでいて理解できていることならば、「そうそう、そうよね!ってことは次は?」みたいな感じで読めるはずです。
これができていないのは知識不足です。
知識不足であることは悪いことではないのです、ただ調べれば良いだけ。
このご時世、情報社会ですから情報収集能力が問われます。
いかにして自分の欲しい情報を得るかを論理的に構築し調べていくと言うことも成長過程です。

「自分が読みながら5W1Hを自分に問いかける」

自分で理解ができているなら、自分に問いかけても自分で答えられるはずです。
例えば、「~らは〇〇の基質を用いて…触媒存在下、■■■反応を報告しているが、●●を用いた例はこれまでなかった」と筆者が明記しているとします。
まなぶが問いかけるところを挙げます。

  • いつ前例が報告された?
  • その系統の触媒でなければ他には誰が報告している?
  • 〇〇の基質を見るとある官能基しかない、もしくは官能基許容性が狭そうだ。では既に報告されている例ではどのような副反応が進行したりする?
  • …触媒存在下の場合は何の基質に適用できるの?
  • ●●を用いた場合、今回はBの基質群が使えるか使えないかどっち
  • 筆者らは新規性を唱えているものの、基質一般性は●●を用いた場合には狭くなるのではないの?その場合、この反応の有用性はどこにあるの?

このように自分に問いかけてみることを意識するだけでこんなにも挙がってきます。
これ全てを考えろとは言いません。
この中で自分が最初に浮かんだものだけでもそこの本文の近くにメモしてから先に進んで下さい。
なぜ、メモだけして調べないのかというと、その先の本文中に答えが隠されている場合があるからです。

その論文までの歴史・経緯・例を調べる

先の例に関連しますが、その論文までの歴史や経緯、例などを知ることはその論文の新規性やすごいところ、この論文が成立するのに最も重要だった点がどこかに気づくことに繋がります。

ではそれをどう調べれば良いのか?
5W1Hで疑問を自分で投げかけられた具体的な例に関してはScifinderやReaxysを用いて調べれば幾分か体系化した検索結果で例の数などがわかってくるでしょう。

それすらわからん!と言う方は総説を探しましょう。
総説でしたら全体的にふわっと書かれていてその研究の流れもしくは体系的な分類などがわかったりします。

これらを行うことで、その論文が成立するまでに存在した前提条件がわかると共に筆者らがどのようにその研究を進めたのかを知ることができます。

したがってこの項目に関しては1つ目、2つ目の項目と相補的であると言えると思います。

終わりに

3つ目→1つ目、2つ目→別論文3つ目→別論文1つめ→2つ目

とまなぶはこれまで行ってきたように思います。
最終的には好きな論文や気になる論文をチェックするようになり、それを備忘録がてらみなさんに紹介したりしております。
どれが正解なんてものはないと思ってます。
知らないことを調べ、何が現時点で明らかになっているかを自ら線引きするということが重要なのではないかと思います。

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