<2018年>学ぶの勝手に論文グランプリ(反応開発分野・チタン系論文)

さて題名に迷いが生じましたが、学ぶの勝手に論文グランプリと称してその年の論文の中で学ぶがこれはみなさんに見て欲しいと思った論文を独断と偏見により紹介したいと思います!
大事なのでもう一度言います!
独断と偏見によって決めております!!
学ぶに賄賂渡したり学ぶと会うと勝手に偏見が・・・?←
まあ冗談はさておき、始めたいと思います。
まずはこのグランプリの記事の形式について説明します。

学ぶグランプリの形式

学ぶグランプリを選ぶにあたって、まず各分野より候補論文を選定していきました。
その後各分野の選定論文の中から学ぶがこの論文に勝手にグランプリを差し上げます!
と言う論文を紹介し、その論文の内容は少し他の論文よりもしっかりと説明する。
という形を取っていきたいと思います。

反応開発分野

まずは反応開発から!

この反応はアミンに変換できることが有用なだけでなく、近年使われている配向基としてのAQ基を用いたC-H活性化反応の有用性を大きく高める反応と言えます。
例えば、こちらの反応など

A general strategy for synthesis of cyclophane-braced peptide macrocycles via palladium-catalysed intramolecular sp3C−H arylation
X. Zhang, G. Lu, M. Sun, M. Mahankali, Y. Ma, M. Zhang, W. Hua, Y. Hu, Q. Wang, J. Chen, G. He, X. Qi,
W. Shen, P. Liu, G. Chen, Nat. Chem.201810, 540–548.
DOI: 10.1038/s41557-018-0006-y

そしてこちらの論文に関わっているのがこちら。

これを見ると、アミドの片方が電子求引性の官能基さえついていれば、求核剤によってアミド交換反応やエステル交換反応を引き起こすことができる可能性があるのではないかと想像できます。

使える反応シリーズで言うならばこちらも忘れることはできません。
オキサジリジンは構造によっては水酸基の導入に用いる試薬もありますが、Kürti先生はアミノ化反応を開発されている方ですので、アミノ化試薬を開発してしまいました。
結構使えそうな試薬です。

さらにこちらも使えるシリーズ。Me3SnOHってメチルエステルを選択的に加水分解するのに有用な試薬で有名なのですが、今回Troc基の除去に使えることが報告されています。
TOCからはわからないのですが、論文中にはメチルエステル存在下でも溶媒がDCEであれば選択的にTroc基を脱保護できる例もあり、汎用性についてもみなさんチェックしてみてください。

使えるシリーズ最後はこちら。
アルコールから2炭素増炭したエステル、アミドの合成法としては素晴らしいと思いました。
飽和型でこの方法を用いてどんどん増炭していくというのもありかも知れませんね。

次はこちら

こちらの反応、あまりとりだたされなかったかと思うのですが、個人的にはCrと芳香環との錯体をホウ素アート錯体を組み合わせたところが面白いなと思って選定しました。

こちらの論文も合成への応用がききそうであること、副反応として考えておかなければならない脱シリル反応の可能性について学べる論文だったので選定。

 Ge≡Ge結合の反応性についてしっかりと学べると共に、反応の面白さを感じたので選定。
時任先生面白い化学をありがとうございます。

プロピオン酸カルシウムでここまで有用な反応ができるというのは素晴らしいと思いました。
是非とも使いたい反応です。

シクロプロパン環型触媒と違った触媒で異なる位置選択性を示すことを最近徐々に明らかとしてきていますがさらなる発展を示したと思ったので選定。

こちらはTPPOを触媒に用いるという考え方が面白いと思ったので選定。

こちらの論文はカルベンなのかどうかということに少し疑問は残りますが、一方でその新しさ、面白さ、議論のしがいまで含めていい論文だと判断しました。

ベンゾオイソオキサゾールに遷移金属触媒を作用させて開環させた後、窒素部位を窒素源として用いるという発想が面白いと思い選定。

[FeCl2][FeCl4]と不均化するというのが面白いのと知らなかったので、これが学べたことで選定。

MeIを試薬として用いるのではなく、系中で発生させるという考え方がまた面白かったです。

HATを用いる部分の考え方が他にも応用可能な形であっていい反応だと思いました。

こちらもそれに関連してのセレクションです。

今となってはHAT型カップリングといえばこちらの方というべきくらい研究を進めてきているShenvi先生です。
向山水和反応の反応機構をHATだと明らかにしたBaran先生とShenvi先生ですが、Shenvi先生はHATの中でさらにシランのどれが最も反応性の高い活性種であるかまでつきとめています。
今回はHATから発展させた形で別の金属とのSETにより異なる反応種に変化させ、別の反応に展開しています。
今後も目が離せない分野です。
こちらの論文は最大候補でグランプリ選定漏れ致しました準グランプリとなります。

これもいい論文でしたが、その元がとにかく良かった。
それを紹介したかったのでグランプリ漏れ。もうネタバレになっちゃってますが笑

2018年反応分野のグランプリ

2018年の反応分野のグランプリに学ぶが選定したのは

じゃじゃん!!こちらの論文です!

岩本くんと伊藤肇先生、今本先生とのトリオ論文は学ぶにとってはセレクションの中で1番推したい論文でした(トリオと呼ぶには豪華すぎます、皆様勝手に呼んでごめんなさい)。
計算→触媒設計→実験の流れを実現できていること、今本先生自身が触媒を合成されていること、計算化学の汎関数を実験に合わせて選択した岩本くん、そしてその考え方がこの先いいのではないかという伊藤先生の先見の明全てに惚れました。
これはこの記事を読む皆さんに読んで頂きたいです。
実際に計算化学を行っていても、反応開発の流れの中にFIXする過程を順序立てて入れることは非常に困難であります。
お三方の素晴らしい力が各場所に働いたからこその実現された論文であると感じました。
内容はこれまで達することが難しかった末端アルケンのマルコフニコフ型のヒドロホウ素化体を高エナンチオ選択的に与える反応です。
面識はあったものの、直接お会いしたことがなかった伊藤先生でしたが、IKCOCで自らポスター発表をされているときにお会いすることができ、その際にも詳しくお話聞かせて頂きました。
ちなみに学ぶのボスもこの論文に非常に興味を持ち、論文の話をしたところじっくり読みたいから印刷しておいて欲しいと言われて読んだくらいです。
何度も言いますが、みなさんも読んでみてください!

チタン系の論文

こちらはおまけとして。
チタンの論文も備忘録もかねてその年一番良かったと思う論文を選定すべく、セレクションしちゃいます(勝手にやってろよと思うかと思いますが、個人ブログなので存分に自由を出していきます笑)

チタン好きが推す論文ですね。
チタンの持つ①一電子還元的性質②二電子還元的性質③Lewis酸
のなかで①を利用し、他の遷移金属と組み合わせたのが鮮やかでした。

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グランプリ記事でき次第、随時リンク追加予定です!

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