<2018年>学ぶの勝手に論文グランプリ(合成系・医薬系分野)

さてお次の発表は合成系・医薬系分野です。
主に全合成・構造有機化学・医薬系合成に分類してグランプリをそれぞれ決定したいと思います。

全合成分野

鉄の反応ももちろんのこと、その他の反応でかなり多くの考察点があって面白かったので選定。

ツイート内容通り、糖化学だけでなく、核酸化学まで学べる全合成の論文でCommunicationながらしっかりと学べる内容なので選定。

合成自体はラセミ全合成ですが、途中で出てくるBINAPを不斉に変えれば不斉全合成可能であり、合成経路も非対称化の着眼点が非常に鮮やかだったので選定しました。

こちらの論文はDirk Traunerによる論文です。
Biomimeticと言っている割には結構人工合成っぽい反応たくさん盛り込んでいます。
しかしこれがいいのです笑(←)
反応の種類が基礎的ながらバリエーションに長けており、またそのセグメント選びなども学べるので研究始めたての学部生向けに選定しました。

こちらの連報2報は素晴らしい合成でした。
他の人ができないよって言っている部分での連結を、「ほい、アルキンメタセシスならできるよ」って示していくのがFürstner先生のすごさ。

さてこちらも非対称化の論文です。これが学ぶの中では準グランプリですかね。

こちらもFürstner先生。もう巻けないものはないのか!?

同時に2つのグループが報告しています。
お二方とも全合成の大家だけあって、まとめて学ぶといいですね。
そのうち記事にするかも!?

最後の2報は既にブログにて紹介済みの論文です。

これら2つの論文の詳細については当ブログの記事

をご覧ください。

2018年全合成分野のグランプリ

さてでは2018年全合成分野のグランプリは何でしょうか?
もう大体いい論文出てきててもうある?って方もいらっしゃるじゃないでしょうか?
このタイミングであれが出てないでしょ!
ってお気づきの方、学ぶと気が合いますね笑
それでは発表します!


じゃじゃん!!こちらの論文!

こちらの論文をグランプリに選定したのはなんと言っても不斉全合成なのにもかかわらず、かなりのスケール感で合成を行っており、しかもそれが複雑な骨格を作り出すものであるという点です。
最初の反応は20グラム以上のスケールで、柴崎先生が開発されたランタノイド触媒存在下の不斉マイケル付加を用いています。
それ以外の反応の選択も素晴らしくみなさんにも見て頂きたいです。
こういった全合成を行いたい、と全合成を行う学ぶも思う次第です。

試薬・合成法分野

こちらの分野に関してはこれから使われていく、そういったことで評価されるべき分野だと判断しているので、この段階ではあえてグランプリを選びません!

これは非常に素晴らしいですね。
かといって作るのかと言われたら売ってるので買っちゃうかもですが笑
今後より安全かつ安価に作られて市販される価格が低下することを願います←

ほかに忘れてはいけないのがこちらの試薬。
エポキシ化に安全な試薬を用いることができるという点は素晴らしいですね。
今後の使用例の増加に期待します。

構造有機化学分野

[4]Chrysaoreneの穴の大きさを利用してヨウ素イオンを補足させた本論文。
個人的にこれを使って反応開発とかに発展できないものかと思いをはせてしまいました。

何で選んだかというと、綺麗だからです!それ以外に理由はいりません!!
(他にも自己組織化や物性についても調べてあって読み物としても面白いです)

こちらも構造的に面白いですが、酸化的芳香環化反応の試薬による選択性もなかなか見所ではないでしょうか。
こればっかりはやってみないとって意見もあるかと思いますが、傾向などは掴むことができるかもしれません。

2018年構造有機化学分野のグランプリ

名大忍久保先生、廣戸先生。構造有機化学初心者の学ぶが見ても面白いと思える分子であったこと、そして物性など初学者が学ぶにもしっかりと書かれていて学べる論文だったというのが理由です。
構造の美しさはさることながら化合物の性質自体にも惹かれました。

実は学ぶが構造有機化学が好きになったきっかけは忍久保先生の有機合成化学協会誌の総説でした。
好きな先生の論文、みなさんに紹介しないわけにはいかないですよね?

医薬系分野

AstraZeneca Gothenburg社のプロセス研究。
数百グラムの合成を見るのと同時に、初手からキログラムスケールで反応を行っているのでプロセスケミストリーが学べると思い選定。

帝人製薬によるFebuxostatのプロセス研究。
これまでの合成報告例に比べて工程数短縮、収率大幅向上に成功。
論文では20 g以上最終物を得ており、製薬会社のプロセス研究とアカデミア研究との違いなどを考えながら読むのによいかと思い選定。

こちらはジェネンテックによるプロセス研究。
初手のステップはキログラムスケールであるゆえ、事細かにprocedureが書いてあります。
DMAを除くのにどうしているか気になりまるかと思いますが、濾別するなどの操作などで分離できるというプロセスでよくある手法まで学べると思ったので選定。

こちらは合成というよりは分析と薬理って感じですが、MS追跡用に臭素入れておくとかそういった創薬のリード化合物探しの段階でも有用な点も学べるので選定。

カップリングに際しての様々なパラメータを検討したテーブルが載っていて大きな学びとなったため選定。

キログラムスケールながら、ばりばり遷移金属使っているだけあって、その辺のスケールアップについて一挙に学べると思い選定。

2018年医薬系分野のグランプリ

さて栄えある医薬系分野のグランプリに輝いたのは・・・・

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社によるBeclabuvirのキログラム合成です。
最終物がキログラムってすごすぎです。。。。
圧倒的スケール感に驚かされるだけになってしまいそうですが、スケールアップにはそれ相応のことが必要になってきます。
しかしながらこの会社、序盤でDavies触媒使うとかごり押しかよ!ってくらいの合成戦略取っています。
しかしこういったごり押しに見えるところからもプロセス研究の工夫が見えてきます。
プロセス研究には必ずimpurityが生じる場合にその合成を行い、評価したり、混入していないことを確認したり、混ざらないためにはどうすれば良いか考えたりするんですね。
この論文はそういったところも学ぶことのできる素晴らしい論文です。
みなさんも是非ご覧あれ!

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グランプリ記事でき次第、随時リンク追加予定です!

 

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