学ぶの学び

論文を最初から書く(1)

化学、特に有機合成に限定しますが、学ぶが論文書きとして成長していくまでをシリーズのように見守って頂く記事第一弾です。
論文とはどうあるべきとか難しいところはお偉い方にお願いするとして、よし!論文にしよう!などとなったときの書くまでをメモしておきたいと思います。

論文が速報かどうか

論文誌によっては速報のみのジャーナル(Org. Lett.やChem. Commun.、Chem. Lett.など)もありますので、先に速報なのかどうかを判断します。個人的には研究の内容が完成しているかどうかも大きな指標になるかと思っています(続報待たれよ的なやつかどうか)。

論文誌どこにするか

論文を投稿するにあたってはまず、論文誌をどこにするかを決める必要があります。
(書いてから決める人もいるかもしれません)
論文誌を決めるにあたっては、その論文誌が一般誌なのか、はたまた専門誌なのかも加味し、あとはボスの好み・自分の論文の内容との相性・挑戦してみたいからここ、などを加味して考えます。
下っ端の方はボスに相談ないしは提案しましょう。

確認すべきこと

まず論文を執筆するにあたって確認しなければならないことがあります。
それは論文毎の書式や書き方などの指定などです。
例として山下先生の最新の論文をご紹介しながら書き方のパターンをご紹介します。

Planar and Bent BN-Embedded p-Quinodimethanes Synthesized by Transmetalation of Bis(trimethylsilyl)-1,4-dihydropyrazines with Chloroborane

Mao Noguchi, Katsunori Suzuki*, Jun KobayashiTaiga YurinoHayato TsurugiKazushi Mashima, and Makoto Yamashita*

こちらの論文をRefするとします。
(例1)名、姓の順かつジャーナル名のあとカンマ入れるver
M. Noguchi, K. Suzuki, J. Kobayashi, T. Yurino, H. Tsurugi, K. Mashima, M. Yamashita, Organometallics201837, 1833.

(例2)姓名の順かつジャーナル名のあとカンマ入れないver
Noguchi, M.; Suzuki, K.; Kobayashi, J.; Yurino, T.; Tsurugi, H.; Mashima, K.; Yamashita. M., Organometallics 201837, 1833.

他にも様々なパターンがあります。一旦何かに揃えて作っておいて、あとから揃えればOKという方もいることでしょう。
論文誌もまだ決められないという方はとりあえず、ACSの基準に従っておけばよいかと思います。
項目毎のPDFはこちらから見ることができます。
(ACSの各ジャーナルにさらに細かく指定があるので注意。それぞれのジャーナルのページで見つけてください)。
また、勝手に変えてくれるサービスもあるらしいのですが、まなぶはまだ詳しくないのでわかったらまたご紹介させてください。

論文に載せるのはどういうデータ?

これに関してはまず第一に指導教員と相談してください。
ただし、合成系のテーマの場合は特に注意が必要です。
あとから物性が足りないということになると場合によっては論文の方向性を変えることになってしまったり、物性収集のために再合成を行いかなりの時間が費やされるということにもなります。
学ぶの場合、一部の物性がなかったために最終的に自分以外の人が行ったところも全て再試することになりました。
こういった思いのする人がいなくなるように、読者の皆様にはとにかく新規物質を合成したら物性を収集しておくことをオススメします。
え!これもとるの!?と言う方、その物質の物性を取った方が良いか、指導教員と相談しましょう。
これで多くのことは解決されますし、誘導体でX線取ろうだとか他の助言も頂けて研究に深みを持たせることもできると思います。

ざっくりとしたストーリーを指導教員と相談した後はどれだけ無駄なく、アピールすべきところがアピールでき、かつ文章に自分の命を吹き込ませて書き上げられるかに意識を集中しました。
(ベテランの先生方がこの記事を読んで、どういうことを気にかけているなどのツイート、この記事へのコメントなどしていただけたら幸いです。)

終わりに

少し長くなりそうだったのでこれくらいで。
次回は執筆の際に自分が間違えたところなどを紹介して、それの対策?
とかを書かせて頂けたらと思います。

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