THFにもご用心!?

みなさん実験においてTHFお使いになりますよね?
もちろん学ぶも使用します。
今回はみなさんにTHFについての注意喚起をすべく愚痴がてら書いてみます。

学ぶの作業仮説と実験操作

つい先日こんなことがあったので皆様にご紹介します。
とある中間体を大量合成すべく合成経路を確立していたときです。
中間体が綺麗になった方がよいと考え最終工程は水素添加反応を選択しました。
その反応にはパラジウムを用いているため、除くべくセライト濾過を行うだけで、副生成物はトルエンのみで十分綺麗になると考えたからです。
実際反応を実施してみるとものすごくTLCはキレイ。
よっしゃ!あとは濾過して終わりだ!!と考えました。

学ぶの失敗操作

得られる生成物が溶けるとわかっている溶媒がTHFでした。したがってセライト濾過時の洗浄操作にTHFを用いて行うこととしました。通常用いる特級のTHFを用いてろ過洗浄を行いました。

失敗結果とその要因

濾液を濃縮後NMRを確認したところ、全くと言っていい程目的物のピークが観測されませんでした。
存在感の強いものが大量に見える見える。
しかし学ぶは気づきました。重クロロホルムの残存溶媒よりも化合物のピーク強度が強い。
そんなスケールで反応を行っていない!!!

では何でしょうか。そこで学ぶはさらに思いました。
これだけマスバランスを崩す現象を起こせるのは溶媒量使ってないとおかしいぞ!?
・・・
・・・
・・・
あ!!溶媒の安定化剤!!!!

そう、答えはTHFの安定化剤だったのです。
THFには安定化剤としてBHTが入っております。

ということで正体はこいつや!
BHT

BHTは濃縮しても固体として残るため、濾過などのその後の精製を挟まない場合には無視できなくなってしまうのです。

注意と対策

注意
通常用いるTHFの購入品にはBHTが入っていることが多いです。
そのため以下のようなことを注意してください。

  • カラムでは用いない
  • 濾過のみで終わる場合も用いない
  • 溶媒量使うならば移し替えなどにも用いない

基本的に精製操作をその後挟まない場合にはやめておいた方が良いですね。

対策

ではどうしても使用しなければならない場合はどうすればよいでしょう?
学ぶの場合、THFにしか溶解しない化合物なども扱ったことがあります。その場合使わざるを得ません。
そんなときの対策を挙げておきます。

  • アルミナ処理をする
  • Naで絞った蒸留塔を建てる
  • 安定剤無添加の脱水THF(関東化学販売)を購入し用いる

下2つは現実的ではないかもしれませんね笑
学ぶは下を用いましたがwww

終わりに

たかが安定剤されど安定剤。
いかがでしたでしょうか?
この辺の話は有名な話ではありますが実体験とともに書かれている記事はあまりみないのと、愚痴的な要素も込めたかったので記事にしました。
ちなみにBHTは(hexane/AcOEt =1/1)でも上がりきります。参考までに。。。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください